WBT全般 (overview)

説明

WMブロック転送プロトコル (WBT) は、MP通信上で利用するデータ転送専用のバッファ制御ライブラリです。
データサイズを気にすることなく、複数の子機に効率的にデータを配信します。
また子機から親機への転送も可能です。


WBTの使い方

WBTライブラリは、データをブロック単位に分割するプロトコルとしての機能しかなく、実際の無線送受信はおこないません。
そのため、データをやり取りする際にはWMライブラリを用いる必要があり、あらかじめMP通信をアプリケーションで実装する必要があります。
WBTライブラリは、MP通信の送受信バッファの一部 (あるいは全部) を利用して実現されます。

WBTをMP通信に連動させるには、一連のWBTライブラリの関数呼び出しの流れとは別に、MP通信の送受信処理の前後などで WBTから送信バッファを受け取り、WBTに受信バッファを知らせる必要があります。
具体的には、「MP通信の接続が確立された(WM_StartMP( )の完了コールバック呼び出し時)」、 「MPデータ送信が完了した(WM_SetMPData( )の完了コールバック呼び出し時)」、 「MPデータ受信が完了した(WM_SetPortCallback( )で指定したコールバック呼び出し時)」 などのWMコールバック関数内で、以下のWBT関数を呼び出します。

例えば、MP通信親機においてWM_SetMPData( )の完了コールバックで、次のMP通信のためのバッファを引数に WBT_MpParentSendHook( )を呼び出し、そのバッファをさらにWM_SetMPData( )でセットします。
    data_size = WBT_MpParentSendHook(SendBuf, DATA_SIZE_MAX);
    WM_SetMPData(callback, SendBuf, data_size, 0, 0xffff);

なお、これらの関数は基本的にMP通信の送受信バッファにデータを書いたり、読んだりするだけなので、 厳密にここで指定した場面で呼び出す必要はなく、次にMP通信を行う前までに呼び出してもかまいません。

なお、WBT のコマンド待ちうけキューの長さは 1 しかないため、一度に一つの WBT コマンドしか登録できません。
WBT_RequestSync( )WBT_GetBlockInfo( )WBT_GetBlock( )WBT_PutUserData( )
実行した WBT コマンドが終了する前に、次の WBT コマンドを発行しても登録できないので注意が必要です。


WBTの基本的なAPI呼び出しの流れ

WBTを使用する際の起動から終了までの一連のAPI呼び出しの流れについて、以下に図として示します。

WBTの使い方の節でも述べましたが、WBTはあくまでプロトコルを提供しているだけであり、 上記の図での親機と子機を繋ぐ矢印の部分で、実際にWM_SetMPData( )等を呼ぶ必要があります。
また、MPデータ送信を行う前に、WBT_MpParentSendHook( ),WBT_MpChildSendHook( )を呼び出し、送信するバッファを得る必要があり、 MPデータ受信が完了した後に、WBT_MpParentRecvHook( ),WBT_MpChildRecvHook( )を呼び出し、受信したバッファの内容を WBTに知らせる必要があります。


親機の処理の流れ

  1. WBT_InitParent( ) を呼び出し、親機と子機のパケットサイズ、コールバックを指定します。
  2. WBT_RegisterBlock( ) を呼び出し、ブロックデータを登録する。
  3. MP通信を開始します。(WM_StartMP( ) の完了まで行う)
  4. 以下の処理を送信間隔毎に行います。
    1. WBT_MpParentSendHook( ) を呼び出し、相手に送信するバッファを得る。
    2. WM_SetMPData( ) で先ほど得たバッファをセットする。
  5. MP 受信コールバックが呼ばれたら、WBT_MpParentRecvHook( ) を呼び出し、受信バッファを WBT に伝える。
    受信バッファの内容とWBTの状態によって、WBT_InitParent( ) で設定したコールバックが受信したコマンド情報と共に呼ばれます。
    ただし、親機(ダウンロードされる側)の場合、このコールバック中に行う必要のある処理はありません。
    なお、コールバックが WBT_CMD_REQ_GET_BLOCK_DONE コマンドで呼び出された場合、一回のブロック転送が完了したことを示します。
  6. 4.5.が繰り返されることで、処理が進んでいきます。


子機の処理の流れ

  1. WBT_InitChild( ) を呼び出し、コールバックを指定します。
  2. MP通信を開始します。(親機と接続し、WM_StartMP( ) の完了まで行う)
  3. WBT_SetOwnAid( ) を呼び出し、自分の AID 番号を WBT に伝えます。
  4. WBT_RequestSync( ) を呼び出し、コールバックを指定します。
  5. 以下の処理を送信間隔毎に行います。
    1. WBT_MpChildSendHook( ) を呼び出し、相手に送信するバッファを得る。
    2. WM_SetMPData( ) で先ほど得たバッファをセットする。
  6. MP 受信コールバックが呼ばれたら、WBT_MpChildRecvHook( ) を呼び出し、受信バッファを WBT に伝える。
    受信バッファの内容とWBTの状態によって、WBT_InitChild( ) で設定したコールバックが受信したコマンド情報と共に呼ばれます。
    ただし、子機(ダウンロードする側)の場合、このコールバックでは行うことはなく、WBT_RequestSync( ) 等の各々の WBT 関数で指定した コールバックのなかで処理を進めます。
  7. 各々の WBT 関数で指定したコールバックが呼ばれた場合、次の WBT 関数を呼び出します。
    1. WBT_RequestSync( ) の完了コールバックの場合、WBT_GetBlockInfo( ) を呼び出し、自分が得たいブロック情報の番号を指定します。
    2. WBT_GetBlockInfo( ) の完了コールバックの場合、WBT_GetBlock( ) を呼び出し、WBT_GetBlockInfo( ) で得たブロックIDを指定します。
    3. WBT_GetBlock( ) の完了コールバックの場合、ブロック転送が完了したことになります。
  8. 5.6.7.が繰り返されることで、処理が進んでいきます。

参照

WBT関数一覧

履歴

2006/03/13 初版